青色申告に必要な「事業所得」とは? ~雑所得や給与所得と区別する~



「青色申告で最低19万円の納税を減額する」で書いたが、副業で稼ぐ+青色申告をすることで、事業者として所得控除を受けることができる。これによって、課税所得が400万円の人であれば、195,000円ほど納税額が減額できる。自分で稼ぎ、正しく確定申告をすることで手元に資金を残すことができる。

しかし、青色申告をするには、事業所得か不動産所得を稼いでいる必要があるのだ。これはFXをやっているだけでは該当しないことになる。では、どんなものが事業所得に該当するのか、検討してみよう。

 

「事業所得」を定義するもの

所得税法上は下記の通り定義される。

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。

引用:国税庁「事業所得の課税のしくみ(事業所得)

過去の判決でいくつか意見が出されているが、最高裁の判決を抜粋しよう。(最高裁の判決は、法律のように扱われる。最高裁で厳重な審議をしたうえで覆されない限りは生きるからだ。)

「自己の危険と計算において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得」をいう(最二小判昭56・4・24)

>> 事業所得についての過去の判決(地裁や高裁の判決を見たい人はこちら)

他の判例を見てみても、複数の要件を「総合して判断」するようで、つまりはグレーゾーンが存在するのだ。

事業所得の要件

 

最高裁の判決を見るに、大まかに4つの要件が存在する。

1.営利を目的とする

青色申告控除を受ける目的だけ・経費を過大計上するために事業を行っている場合は、事業所得として認められないだろう。その場合は脱税として追徴課税される可能性もある。

昔、事業所得のメリットを悪用し、「副業で赤字→事業所得を損失で申告」という脱税のやり方が流行ったからだ。それを指導する自称コンサルタントがいて、逮捕されている。

(※当然当サイトはそんなことを推奨していないし、副業でしっかり稼いだ上で正しく申告をしようということをお伝えしている)

2.継続行為である

国税局に聞いても「1,2年などの明確な基準はない」とのこと。単年での赤字は仕方ないが、長期で見て採算が取れるようにということだろう。この点考え方は法人税と変わらない。

休まずに活動を続け、その記録となる情報をとっておこう。

3. 自己の危険と計算において独立して営まれる

自分でリスク(費用負担)を取っているか。自分で業務の指揮を取っているかによって事業所得か給与所得か分かれる。

麻酔医が病院から受け取った報酬を事業所得として申告していた件についての判例がある。ここでは、「麻酔業務から生ずる費用は各病院側が負担しているため、事業の収支から一般的に生じ得る危険を負担しておらず、麻酔業務を行う対象・場所・時間等について病院側の指揮命令に服していたと認定」とされた。

引用:税務会計情報ねっ島「自己の計算と危険における業務から生じた所得ではないと判示

4.社会通念に照らし事業とみられる

これは諸要素の総合判断のようだ。下記を読み進めてほしい。

(ちなみに、太陽光発電の売電収入については具体例が定められている。「50kw 以上の太陽光発電設備を設置」して「主任技術者を選任する」こと。 -税理士法人吉井財務研究所より)

 

事業所得かの判断材料

下記によって事業所得であることが決定付けられるわけではないが、考慮要素として判例では挙げられている。

 

1.その取引に費やされた精神的・肉体的労力の程度

税務調査が入ったときのために、作業記録はやはり取るべきだ。

2.人的・物的設備の有無

昭和46年の地裁の判決だと「特に事業場を設置したり、人的物的要素が結合した経済的組織体によるものであることを必ずしも必要としない」とされていた。

ただ、事業所や従業員がいるとより確実に事業所得として認められるということだろう。上記の太陽光発電の売電収入についてはこれを満たしている。

3.その者の職歴・社会的地位・生活状況

たとえ本業があったとしても、その事業だけで食っていけるのであれば、それは事業所得とされるようだ。

 

雑所得の定義

雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。

引用:国税庁「雑所得

事業所得として認められないと、雑所得扱いとなる。そうなると当然青色申告控除は受けられない。

勤務医が服飾レンタルを行っていた場合に、その服飾レンタル業が事業所得にあたるかどうかが争われた事件の判例について解説している記事があったのでリンクを貼っておこう。(リンク先>> リード法律会計事務所


 

以上だが、なかなか定義が難しい上にグレーゾーンも大きい。本当に迷ったら、一度税理士に相談するのがよいだろう。

>> 税理士ドットコム

 

 

カテゴリ:節税


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