【サラリーマンの節税】スーツを経費で落とせるか?【特定支出控除】



個人事業主にかかる税金は、「所得-経費」で課税所得を求めるので、経費の分、納税額が減額される。

一方、サラリーマンの場合はどうだろうか。サラリーマンの場合、概算の経費(給与所得控除)が控除されており、原則として経費控除ができない。

 

・・・のだが、一定の要件を満たしたうえで確定申告を行うと、給与所得控除よりも多くかかっている経費については控除を受けることができる。「特定支出控除」という制度である。

主には、「通勤費・転居費の補助が出ない会社に勤務する方」「資格取得のために予備校に通っているような方」「単身赴任で自宅までの交通費がかかる方」が控除を検討することになるだろう。

 

特定支出控除の制度を使うためのステップは下記になる。

1.自分の「給与所得控除 ×1/2」と、「特定支出控除」の金額を見比べ、後者の方が大きければ、申告を検討。

2.会社から認められるか、総務・労務・経理に確認。

 

1.何もしないときの控除額(給与所得控除)

まずデフォルトで設定されている給与所得控除の金額である。

以下、国税庁のページからの引用だが、給与の金額によって、控除額が決まっている。

課税される所得金額 税率 給与控除額
195万円以下 5% 0円
195 ~ 330万円 10% 97,500円
330 ~ 695万円 20% 427,500円
695 ~ 900万円 23% 636,000円
900 ~ 1,800万円 33% 1,536,000円
1,800 ~ 4,000万円 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

※ 平成25年から平成49年までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)を併せて申告・納付することとなります。(注) 例えば「課税される所得金額」が700万円の場合には、求める税額は次のようになります。
 700万円×0.23-63万6千円=97万4千円

(引用:国税庁タックスアンサー「所得税の税率」)

これを越える金額で、経費がかかっている人については、特定支出控除を利用するメリットがある。

 

2.特定支出控除を適用できる経費

下記項目で年間にかかっている金額を考えてみよう。これが多くかかってくる人や、会社から補助を受けられていない人は、特定支出控除を使うべきである。

———————————

1. 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)

2. 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)

3. 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)

4. 職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)

5. 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)

6.次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費)

(1) 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)

(2) 制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)

(3) 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)

(引用:国税庁タックスアンサー「給与所得者の特定支出控除」)

———————————

「通勤費・転居費の補助が出ない会社に勤務する方」「経理部門等で、資格取得のために予備校に通っているような方」「単身赴任で自宅までの交通費がかかる方」が控除を検討することになるだろう。

そういった人が、スーツにかかる費用や仕事のために買った本の金額などを積み上げてみたときに、給与控除額を超えることになる。

 

3.但し、会社からの許可が必要

特定支出控除は、給与の支払者に証明されないと、経費として認められないので、事前に総務・労務・経理あたりに確認してみるとよいだろう。

実際申告するには会社の証明書が必要になるので、国税庁のページ「給与所得者の特定支出控除に関する証明書の様式等の制定について」を参照いただければと思う。

 

4.まとめ

1.「給与所得控除 ×1/2」と「特定支出控除」を比較

→後者が大きければ申告を検討。

2.会社に認められるか相談

→総務・労務・経理あたりの従業員の年末調整や申告を担当している課に相談

 

5.「確定申告が必要」「した方が良い」人

余談になるが、確定申告の要否についてまとめる。以後機会があれば詳しく書こうと思う。

確定申告が必要な人

・給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
・20万円を超える副業収入がある人
・2ヶ所から給与をもらっている人
・災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人

確定申告をした方が得をする人

・医療費が年間10万円を超えた人
・住宅ローンを組んだ人
・年末調整後に出産/結婚をした人
・中途退職で年末調整を受けていない人

+本記事の特定支出控除に該当する金額が大きい人


 

以上。

次回以降、副業マンの節税についても書いていこうと思う。

 

カテゴリ:節税


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