キャリアのパッシブ運用とアクティブ運用【大企業かベンチャーか】



資産運用を生業とするファンドマネージャーは、基 本的な2つの運用アプローチのうちの どちらか1つを採るという。「パッシブ運用」と「アクティブ運用」だ。

パッシブ運用とは、日経平均株価やS&P500など、特定の指標に連動した運用成績を目指す資産運用の手法だ。例えば、日経平均株価は、東証1部上場の銘柄から選んだ225銘柄の平均株価を指す。この225銘柄に機械的に投資をすれば、日経平均株価と連動した成績を収めることになる。極端な話、ファンドマネージャーがいなくとも成り立つ。なので、手数料や運用報酬を抑えられるのだ。

一方で、アクティブ運用では、市場や個別銘柄の調査、分析に力を注ぎ、投資対象の銘柄を選定する。日経平均株価やS&P500などの指標よりも良い成績を目指す運用手法である。こちらの方がファンドのイメージに合うかもしれない。安く買って、高く売り続ける。

どちらが優れているかというと、結局ケースバイケースで、先進国の銘柄に対してはパッシブ運用が用いられるケースが多いようだが、どうやら近年はパッシブ運用の方が人気が高いようだ。

>>THE WALL STREET JOURNAL「インデックス投信は市場をゆがめるか

 

日系企業で働くインセンティブ

日系大企業では、かけた時間や労力に比例せず、会社のルールで給与が決定されていく。年功序列、あるいは労働者のヒットポイントを回復させるための必要経費分。

>>これからの「カネと女」の話をしよう「二つの労働力再生産

真剣に仕事をするか否かは、個人の価値観に委ねられると思う。これまでの積み上げがあって、コンプラ違反もなく、事業のポートフォリオを組めている大企業であれば、しばらく食いつぶせる。会社が潰れる・自分の給与が下がることに危機感を感じる人はほとんどいないだろう。よっぽど倫理に外れたことをしなければクビにもならない。

一方で、必死に残業をしたところで、個人の収入としてはややボーナスに反映されるかどうかというところで、インセンティブもまああんまりない。

やりがいも到底感じていないであろう人がそこそこ仕事をして帰っていくのは、国民性、国家による刷り込みなどのよるもので、黙っていても勝手に労働の義務を果たす文化が根付いているからだろうか。

>>これから「カネと女」の話をしよう「多くの人間は、下働きから解放されることはない

 

転職も企業も考えず、勤め上げるつもりでいる人にとって、仕事の選び方も、運用方法もたった一つである。

就職先の選び方として、事業領域が分散していること。商材・機能・地域を分散させ、ポートフォリオを組んでいれば、一気に会社が壊滅状態に陥る可能性も低減させられる。全世界株式インデックスファンドのようなイメージだ。

そして、どう働くかであるが、とにかく擦り減らないようにすること。残業代に興味がなければ、定時に内に仕事を終わらせることに全力を注ぐ。いくら頑張っても、決まった時給との自分の時間のトレードだ。財布と相談して、早いところ帰る。失敗して出世が閉ざされる業界もあるのかもしれないが、出世しなくても年功序列で給与が上がるのだからあんまり気にする必要はない。

そういう意味でも、総合商社のコーポレート部門はかなり強い。前提通り、年功序列で、平均年収も日本屈指。会社として投資する事業・国のリスク分散を図っており、今後、衰退していくにしても壊滅的な打撃を受けにくいとも思える。業務としても客商売ではなく、残業してでも終えなければならない作業は、決算(外部監査)・税務(税務調査)、採用活動、IRなどだろうか。それでも大部分はシステム化・自動化されているので、データインプット地獄に陥ることも少ない。

>>バックナンバー「商社とは?ビジネスモデルは?

(当然、本来であれば会計・税務・ファイナンス・経営について必死に学び、全社の事業や数値状況を把握して、経営の提言をしなければならない部隊だ。しかしながら、評価制度や給与形態が対応しておらず、どこまでコミットするかはやはり個々人の裁量に任せられてしまう。)

>>バックナンバー「定時にコーポスタッフを帰して、予備校へ通わせろ

 

労働者同志で監視し合う制度で秩序を維持する日系企業

ここまで、かける労力と時間、収入について書いてきたが、重要な概念を書いていない。やりがいだ。

ぼくらは、熱中するために生きている。なぜお金を稼ぐのか? それは、自分が人生に没頭し続けるためのリソースを集めるためだ。短期的にいまあるお金すべてを、ハマっていることに注ぎ込んだら、明日食っていけなくなる。そしたら、明日食う金を稼がなければならなくなって、熱中していることにかける時間がなくなる。

>>バックナンバー「我を忘れて夢中で没頭しよう

ぼくの場合、大きな会社の経営・財務・投資に興味があった。商社の投資支援や、資金調達、経営企画は面白い。そういうことがしたく入ってくる新卒はいないので、希望すればかなり高い確率で配属されると思っていたし、実際そうなった。

だが、サラリーマンは、仕事も勤務地も選べない。思ってもみない場所で思ってもみない人と出会うセレンディピティはあるが、良いことばかりではない。全く興味のないことに平日8時間以上の時間を投下するというリスクがある。

一時期ぼくは子会社の業務改善をする仕事をしていた。承認ルートがどうとか、証憑書類がどうとか。実務を知るためにインプット作業をやらされたが、人手が足りず、結局業務のほとんどをインプット作業に費やした。定時後に自分の仕事がスタートした。

業務改善の施策を考えることにはやりがいを見出し、連日遅くまで働いたが、これは今思うと、日中のインプット作業がつまらなすぎたのと、何とか自分の価値を出したかっただけだ。

無意識のうちに合理化しているのだ。「受験勉強に莫大な時間を費やし、大学受験は成功。周り褒められ、安定した企業に入社し、上司に媚び、同僚からも褒められる。これだけ頑張った、これが俺の本当にやりたいことなんだ!」と自分に言い聞かせてきたのだ。

他社で活かせるスキルが身につくわけでもなく、ましてや自分の事業につながるわけでもない仕事を続けていると、どんどんその思いが強くなっていく。

そして、会社への非モテコミットに気が付く。収入を会社に依存している以上、そこで働かないと食っていけない。いくら仕事が好きだったとしても、その強制力によって精神は蝕まれていく。ここでも言える、「人は魅力でしか縛れない」のだ。

>>バックナンバー「ぼくが恋愛工学から学んだこと【勇気と仲間】」

>>バックナンバー 「なぜ日系大企業で働いてはいけないか? ~ドーパミンから考える~

 

自分のリソースを成長株や割安株に投じる

歩合制の給与形態の会社で稼ぎまくる人。これも結局は自分の労働力を膨大に提供して、もらう給与は自分の消費体力分であり、根本的に勤め人から外れない。

ベンチャー企業で働く人。ここでは、自分が経営に近い立場であれば、会社の成長が自分の収入に連動する。(いまさら成長しきったメガベンチャーに行ってもしょうがない。)

アクティブ投資にも、二通りのスタイルがあると言われる。現在の財務諸表などから読み取れる企業価値と株価を見比べ、割安株価の銘柄に対して投資する「バリュー投資」。今後の成長株に投資をする「グロース投資」。

企業にせよ事業にせよ、いかにしてバリュー株を見つけるか。常に新鮮な情報を取りにいく必要がある。直接足を向け、あるいは体験して一次情報を取る。そういったスタイルの人間の人脈を作る。有益な情報を発信する人、あるいは編集者のアポイントメントを抑えて、1.5次情報を取りにいく。

>>週刊金融日記 第245号「ビジネスで独り勝ちする1・5次情報収集術

そして、投資した事業や、就職した企業のバリューをあげる。コンテンツの質を開発していくか、それをマーケティング・営業していくか。そして、資金・人・システムを使っていかにスケールさせていくか。

ここでは事業を複数展開もできるし、事業を持って独立もできる。

 

「没頭できる時間をいかに最大化するか」でキャリアを選ぶ

「収入が一か所からしか得られないから、つまらない仕事でも耐えないと食っていけない」という状態から抜け出すためにも、まずは、日系企業の勤め人としては給与が高い総合商社で、そこそこのやりがいを感じながらパッシブ運用をして、退社後に自分のコンテンツを開発していく。

 

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転職エージェントを実際に使ってみての比較記事

>> 転職活動で実際に使ってみて良かった転職エージェント3選

商社を出て転職・起業をする人たちのパネルディスカッションをまとめた記事。

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