財務分析に使われる経営指標 ~安全性, 収益性, 効率性, 生産性~



ここまで財務諸表の成り立ちと、作成の目的について解説してきた。

1.PLとは「企業の一年間の通信簿」である

2.BSが示すのは「集めた金が何に姿を換えたか」

3.財務三表を一体理解する

4.なぜ財務諸表を作るか ~財務三表を作る4つの目的~

本当に大切なのは、これらの数値を見て、財務分析をすることだ。数字がどのような意味を持つのか理解しなければ、自社の目指すべき方向を定量的に社内外に提示できない。また、取引先がどんな状況か、そして自社が社外からどう見られるのかを理解できなければならない。

財務分析の考え方

財務分析に必要な指標というのは、「P/Lの数字をB/Sの数字で割って求める」というような算出方法が多い。(もちろん、P/L ÷ P/L、B/S ÷ B/Sなどから算出するものも数多く紹介するが。)

これはなぜかというと、P/Lだけだと当期の利益しか出ないので、過去の投資の規模、どれだけ金を今までつぎ込んだ上の成果なのかが分からない。一方、B/Sだけ見ると、会社設立から今までの長期に渡る会社の積み上げを見ることになってしまうので、近年の動向がわからない。

例えば、1兆円の設備投資をしていて年間1億円の利益を出す会社と、設備投資ゼロで年間1億円の利益を出す会社では、収益の効率性が違う。

 

前提となる財務諸表の勘定科目

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売掛債権は、「売掛金」「未収入金」など、入金を待っているもの(ある意味で、取引先にお金を貸しているような状態)。あるいは、「前渡金」「前払費用」など、先に資金負担をしてしまっているもの。

買掛債務は、「買掛金」「未払金」など、支払を待ってもらっているもの(ある意味で、取引先にお金を借りている状態)。あるいは、「前受金」「前受収益」「預り金」など、サービス提供前にお金をもらっているもの。

 

“安全性”がわかる主な経営指標

企業は借金を返済できなくなると倒産する。倒産した企業に対する貸付金や売掛金は返ってこないと思った方がよい。なので、倒産しそうな企業にはお金を貸さないし、掛けでモノも売らない。倒産しない=安全性が高い財務状態を外部に示せることによって、信用度が上がり、資金調達や販売がしやすくなるのだ。

 

借りた金を返せる状態にあるか?

流動比率 = 流動資産 / 流動負債

(業界にもよるが、1.5以上あれば平均的で、2.0以上が理想とされる。)

当座比率 = 当座預金 / 流動負債

(即座に支払いを求められたときに支払ができるかを表す比率。業界にもよるが、1.5以上あれば平均的で、1.0以上が理想とされる。)

借入に依存していないか?

自己資本比率 = 株主資本 / 総資本

DER(負債比率) = 借入金 / 株主資本

(資金調達をする上で、借入の場合は返済期限や利息が必要になる一方、株主資本には返済期限がなく配当も任意となる。返済期限が到来した際に、きちんとキャッシュが調達できていないと倒産してしまうので、借入依存度が一つの安全性指標となる。)

 

>> 詳しくは、「”安全性”を財務分析する」にて

 

“収益性”がわかる主な経営指標

収益性を見る上で、「1.売上に対してどれだけ手元の利益が出るのか」「2.利益を出すためにどれだけ資金を要したか」が見られる。

 

サービス提供における自社の付加価値は?

→ 粗利率 = 売上総利益 / 売上高

 

経費や利息等も払った上で十分に儲けられる”会社”か?

経常利益率 = 経常利益 / 売上高

 

>> 詳しくは、「”収益性”を財務分析する ~運転資本と投下資本~」にて

 

“効率性”がわかる主な経営指標

商品を売って資金回収するまでに何日かかっているか、などの資金効率性を見る。サービス提供から資金化までの期間が短ければ、入ってきたお金を元手にして新たに商売が始められるので、効率的と言える。

 

サービス提供から資金回収まで何日かかるか?

売掛債権回転日数 = (売掛債権 × 365) / 売上高

(商品を売って、資金回収するまでに何日かかっているか。短いほど良い)

仕入から支払まで何日かかるか?

買掛債務回転日数 = (買掛債務 × 365) / 売上高

(商品を仕入れて、支払までに何日かかっているか。長いほど良い。厳密には分母に仕入高を使うべきだが、簡略化して売上高が使われることが多い)

 

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>> 詳しくは、「”効率性”を財務分析する」にて

 

“生産性”がわかる主な経営指標

「”収益性”=利益/売上」だったが、この分母を「人」や「設備」に置き換える。

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いかに上手にリソースを活用しているかを見る。

 

 

 

>> 詳しくは、「”生産性”を財務分析する」にて

 


以上、一通り紹介をしたが、それぞれ詳しく解説しているので、他の記事も読んでほしい。

経営指標は、同業他社や、自社の複数の部署同士で比較してみて、問題点や見倣うべき点が浮き彫りになってくる。元となる財務諸表を作ること、その数値をもとに経営指標の指標を作成することが経理部門の仕事になる。そのデータをもとに経営者が経営判断を行うのだが、経営者に数値知識がなければ意味がない。

 

 

財務三表の繋がりと簿記が理解できたら、あとはこのブログで理解を深めていってほしい。

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