はじめてのファイナンス ~貨幣の時間的価値~



財務(ファイナンス)の考え方

財務(ファイナンス)は、資金を調達し、それを投資することを目標としている。

経理部門で集計した財務諸表に基づいて、日々どれくらいお金を借りる必要があるか、事業部門が持ってきた案件にお金・ヒトを投じる魅力があるかなどの判断をしていく。

経理部門のミッションが「過去の事象を、財務諸表に表す」ことであるのに対して、財務部門は「未来の可能性を見て、最適なキャッシュフローを実現する」ことが仕事となるのだ。

>> NED-WLT(酒井穣さんのブログ)「経理部と財務部

 

例えば、「10年後に100億円現金が得られる商売」と「1年後に10億円現金が得られる商売」では、どちらを取るべきなのか

当然、いまの資金繰りや事業の成熟度合を顧みること、あるいは商売ごとにどんなリスクが潜むのか、など検討すべきことはたくさんあるが、まず基礎の基礎として、「今貰えるお金と、将来貰えるお金のどちらに価値があるか」という貨幣の時間的価値を理解すべきだろう。

 

貨幣の時間的価値

「今貰えるお金と、将来貰えるお金のどちらに価値があるか」

同じ金額を貰えるのであれば、この答えは「今貰えるお金に価値がある」。大きく二つの理由から、上記の答えが導かれる。

 

(1)今日の1円は銀行に預金すれば金利を稼ぐことができる

(2)明日の1円は今日の1円に比べて不確実である

 

(1)金利の考え方

利子

いま一千万円を貰ったとして、1年間定期預金に突っ込んでおけば黙っていても利子が貰える。1年後に一千万円貰う意味がない。

 

資金調達コスト

また、商売を始める上で、銀行や投資家からお金を借りていたら、利息や配当の支払が必要になる。

特に上場企業であれば、株価を維持する必要があり、そのために大きな資本コストが発生する。

>> なぜ経営者は自社の株価を気にするか?【株価を上げるメリット】

とっとと現金化して、金を返したり、自己株式を取得すれば、余計な利息や配当が必要なくなる。

 

(2)将来の不確実性

インフレーション

2016年度のデータを見ると、日本・スペイン・シンガポールなど、デフレの国もあるが、基本的に世界経済はインフレする。

>> Global Note「世界の消費者物価上昇率 国際比較統計・推移(IMF)

日本に住んでいるとあまり実感できないが、将来的に物価が上昇していく傾向にある場合、例えばいま100円の商品が将来は120円になったりする。すると、いま100円貰えば商品が買えたのに、将来貰うと買えないことになってしまう。

 

その他のリスク

お金を払ってくれるはずだった企業が倒産する。天災や金融危機などの不測の事態が起こる。など、そもそもお金が入ってこないリスクもある。定量化するのは難しいが、将来の貨幣の価値を現在価値に置き換える上で、その不確実性も織り込む必要がある。

 

 


上記の理由から、基本的に「今貰えるお金」の方が価値は高いとされる。

では具体的に、「10年後に100億円現金が得られる商売」と「1年後に10億円現金が得られる商売」をどのように比較するのか。

また次回説明しよう。

 

 


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